指定難病:診断基準・重症度分類
診断基準
下記の主要臨床症状のうちいずれか1つを認め、原因遺伝子(FBN1、TGFBR1、TGFBR2、SMAD3、TGFB2遺伝子等)に変異を認めればマルファン症候群と診断が確定する。遺伝子診断が未実施ないし遺伝子変異を認めない場合もあり、下記の主要臨床症状のうち2項目を満たすか、マルファン症候群の家族歴を有して主要臨床症状 1 つを満たせば臨床診断される。
主要臨床症状
- 過伸展を伴う長い指、側弯、胸部変形等を含む身体所見
- 水晶体亜脱臼・水晶体偏位等を含む特徴的眼科所見
- 大動脈基部病変
(20 歳以上では大動脈基部径〈バルサルバ洞径〉の拡大が Z スコア≧ 2.0、20 歳未満では Z スコア≧ 3.0)
重症度分類
1.小児例(18 歳未満)
- 小児慢性特定疾病の状態の程度に準ずる。
- 治療で、強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、抗血小板薬、抗凝固薬、末梢血管拡張薬、β遮断薬のいずれかが投与されている場合
- 大動脈瘤破裂の場合、または破裂が予想される場合
2.成人例
① ~② のいずれかに該当する者を対象とする。
- 心疾患があり、薬物治療・手術によっても NYHA 分類でⅡ度以上に該当する場合。
- 大動脈基部病変(Z ≧ 2)が認められる場合。
注釈*) 大動脈基部病変:大動脈基部径(バルサルバ洞径)の拡大(Z スコアで判定)、または大動脈基部解離