第14 番染色体父親性ダイソミー および その類縁疾患(成人)

指定難病:診断基準・重症度分類

診断基準

 乳・幼児期からの特徴的な小胸郭を認め、下記の症状より第 14 番染色体父親性ダイソミー症候群が疑われる場合、14 番染色体インプリンティング領域内のメチル化可変領域である IG-DMR、MEG3-DMR の高メチル化を認めれば、第 14 番染色体父親性ダイソミー症候群と診断する。

I .主症状

  • 乳・幼児期からの特徴的な小胸郭(コートハンガー型、ベル型)と呼吸障害
  • 腹壁の異常(臍帯ヘルニア、腹直筋離開)
  • 前額部突出、眼瞼裂狭小、平坦な鼻梁、小顎、前向き鼻孔、突出した人中を含む特徴的顔貌
  • 妊娠中羊水過多および胎盤過形成

II. 副症状

  • 発達遅延
  • 摂食障害
  • 翼状頚・短頚
  • 喉頭軟化症
  • 関節拘縮
  • 側弯症
  • 鼠径ヘルニア

重症度分類

1)~ 3)のいずれかに該当する者を対象とする。

  1. 難治性てんかんの場合:主な抗てんかん薬2~3種類以上の単剤あるいは多剤併用で、かつ十分量で、2年以上治療しても、発作が1年以上抑制されず日常生活に支障をきたす状態(日本神経学会による定義)。
  2. 先天性心疾患があり、薬物治療・手術によっても NYHA 分類でⅡ度以上に該当する場合。
  3. 気管切開、非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)、人工呼吸器使用の場合。

ダウンロード