歌舞伎症候群(成人)

指定難病:診断基準・重症度分類

診断基準

 主要臨床症状 1 より歌舞伎症候群が疑われ、原因遺伝子(KMT2D 遺伝子〈別名:MLL2 遺伝子〉・KDM6A 遺
伝子等)に変異を認めれば歌舞伎症候群と診断が確定する。変異を認めない場合もあり、乳・幼児期から下記の
症状を全て満たせば臨床診断される。

Ⅰ.主要臨床症状

  1. 下眼瞼外側 1/3 の外反・切れ長の眼瞼裂を含む特徴的な顔貌
  2. 指尖部の隆起
  3. 精神発達遅滞

重症度分類

1.小児例(18 才未満) 小児慢性特定疾病の状態の程度に準ずる。

  • 症状として、けいれん発作、意識障害、体温調節異常、骨折または脱臼のうちいずれか1 つ以上続く場合
  • 又は 治療で、強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、抗血小板薬、抗凝固薬、末梢血管拡張薬、β遮断薬のいずれかが投与されている場合
  • 又は 治療で、呼吸管理(人工呼吸器、気管切開術後、経鼻エアウェイ等の処置を必要とするものをいう)、酸素療法、胃管、胃瘻、中心静脈栄養等による栄養のうち1 つ以上を行う場合

2.成人例
1)~3)のいずれかに該当する者を対象とする。

  1. 難治性てんかんの場合:主な抗てんかん薬2~3種類以上の単剤あるいは多剤併用で、かつ十分量で、2年以上治療しても、発作が1年以上抑制されず日常生活に支障をきたす状態(日本神経学会による定義)。
  2. 先天性心疾患があり、薬物治療・手術によっても NYHA 分類でⅡ度以上に該当する場合。
  3. 気管切開、非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)、人工呼吸器使用の場合。

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