指定難病:診断基準・重症度分類
診断基準
1) 特徴的な症状を認め、生殖細胞系列において HRAS 遺伝子変異が同定される。
2)下記の7項目をすべて満たす。
- 特徴的な顔貌・毛髪
- 出生後の哺乳障害
- 手掌・足底の深い皺
- 相対的大頭症
- 心疾患:肥大型心筋症、肺動脈狭窄、不整脈など
- アキレス腱の硬化
- 精神遅滞
1) または2)を対象とする。
〈参考〉臨床症状とその合併頻度
- 特徴的な顔貌(92%)
- 出生後の哺乳障害(88%)
- 手足の深いしわ(88%)
- 精神遅滞(81%)
- 相対的大頭症(85%)
- カールしていて疎な毛髪(77%)
- 柔らかく緩い皮膚(77%) ・短頚(58%)
- 指関節の可動性亢進(58%)
- 心疾患(73%) ~肥大型心筋症(58%)、不整脈(30%)
- 患者の約 15% に悪性腫瘍(膀胱癌、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫など)を合併
(注)本診断基準は未成年にのみ適用される(成人以降に診断される例が確認されていない)。
重症度分類
- 症状として、けいれん発作、意識障害、体温調節異常、骨折又は脱臼のうち1つ以上続く場合
- 治療で強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、抗血小板薬、抗凝固薬、末梢血管拡張薬又はβ遮断薬のうち1つ以上が投与されている場合
- 治療で呼吸管理(人工呼吸器、気管切開術後、経鼻エアウェイ等の処置を必要とするものをいう)、酸素療法又は胃管、胃瘻、中心静脈栄養等による栄養のうち1つ以上を行う場合
- 腫瘍を合併し、組織と部位が明確に診断されている場合であること。ただし、治療から5年を経過した場合は対象としないが、再発などが認められた場合は、再度対象とする。