コフィン・ローリー症候群

年齢別　診療の手引き

年齢	評価	必要により連携	注記
新生児期	新生児期の本症候群の診断は困難であるが、「何となく気になる新生児」　としてフォローになる可能性がある母親が保因者の場合、養育の困難さを指摘される場合がある	家族支援（ソーシャルワーカー等の紹介、保健師訪問）
3ヶ月	成長：身長・体重・頭囲（体重増加不良に注意）発達：運動発達遅滞視覚聴覚／聴力検査栄養：哺乳／嚥下機能家庭での育児の状況	摂食・栄養指導家族支援（保健師訪問）
6ヶ月	成長：身長・体重・頭囲（発育の遅れ）発達：運動発達、神経学的評価視覚：斜視　眼底検査など聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能（初診時）遺伝学的検査発達遅滞の精査などで、診断に至る可能性がある	眼科耳鼻咽喉科理学療法家族支援
12ヶ月	成長：身長・体重・頭囲（発育の遅れ）発達：運動発達、神経学的評価視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能歯科：歯牙萌出遅延（初診時）遺伝学的検査発達遅滞の精査などで、診断に至る可能性がある頭部MRI や脳波検査	眼科耳鼻咽喉科理学療法家族支援
18ヶ月	成長：身長・体重・頭囲（低身長）発達：療育神経学的評価視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能歯科：歯牙萌出遅延など歯科異常（初診時）遺伝学的検査発達遅滞の精査などで、診断に至る可能性がある頭部MRI や脳波検査	眼科耳鼻咽喉科理学療法家族支援
2歳	成長：身長・体重・頭囲（低身長、小頭症）発達：神経学的評価発達心理検査視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能歯科：歯牙萌出遅延など歯科異常（初診時）遺伝学的検査発達遅滞の精査などで、診断に至る可能性がある急な音や接触刺激で脱力発作を呈する例がある頭部MRI や脳波検査	眼科耳鼻咽喉科理学療法家族支援
3歳	成長：身長・体重・頭囲　発達：神経学的評価発達心理検査、行動異常評価視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能歯科：歯列不正など歯科異常（初診時）遺伝学的検査発達遅滞の精査などで、診断に至る可能性がある急な音や接触刺激で脱力発作を呈する例がある（Stimulus induced drop attacks：SIDAs）頭部MRI や脳波検査	眼科耳鼻咽喉科理学療法、作業療法、言語訓練歯科専門的な療育機関への通園を考慮家族支援
4歳 ↓ 6歳	成長：身長・体重・頭囲　発達：神経学的評価発達心理検査、行動異常評価急な音や接触刺激で脱力発作を呈する（SIDAs）てんかん合併例ある頭部MRI や脳波検査視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能側彎・後彎・扁平足鳩胸、漏斗胸	眼科耳鼻咽喉科歯科側彎あれば整形外科家族支援療育機関、就学支援
7歳 ↓ 9歳	成長：身長・体重・頭囲　発達：神経学的評価（運動機能退行に注意）行動異常評価急な音や接触刺激で脱力発作を呈する（SIDAs）てんかん合併例ある頭部MRI や脳波検査視覚：斜視聴覚：聴力検査側彎・後彎・扁平足鳩胸、漏斗胸	言語聴覚士歯科側彎あれば整形外科家族支援学校との連携（特別支援教育）
10歳 ↓ 12歳	学校での状況成長：身長・体重・頭囲　発達：神経学的評価（運動機能退行に注意）行動異常評価急な音や接触刺激で脱力発作を呈する（SIDAs）頭部MRI や脳波検査視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：肥満に注意側彎・後彎	言語聴覚士歯科側彎あれば整形外科家族支援中学校進路相談
中学生	学校での状況成長：身長・体重・頭囲　発達：神経学的評価（運動機能退行に注意）行動異常評価急な音や接触刺激で脱力発作を呈する（SIDAs）頭部MRI や脳波検査視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：肥満に注意側彎・後彎	歯科家族支援学校との連携進路相談
高校生	学校での状況成長：身長・体重・頭囲　発達：神経学的評価（運動機能退行に注意）行動異常評価急な音や接触刺激で脱力発作を呈する（SIDAs）頭部MRI や脳波検査視覚：斜視聴覚：聴力検査栄養：哺乳・摂食／嚥下機能側彎・後彎	歯科家族支援学校との連携職業訓練等精神科紹介
成人	身長・体重・頭囲内科診察必要に応じて血液検査実施視覚：視力検査聴覚：聴覚検査就労居住環境	歯科家族支援社会参加支援精神科紹介成人医療機関との連携

※どの年齢においても診療の際に遺伝に関する両親からの相談を受け、必要に応じて遺伝カウンセリングを行う。
※母親が保因者の場合、軽度の知的障害を持つ場合があり、家族支援体制が重要である。
※診断がついた段階で、頭部MRI、脳波、視聴覚、循環器系など全身の精査を行う。