アペール症候群(成人)

指定難病:診断基準・重症度分類

診断基準

 確定診断は遺伝的検査による。

(1) 症状

  1. 頭蓋 頭蓋縫合早期癒合、水頭症、キアリ奇形
  2.  顔面 眼球突出、斜視、高口蓋、口蓋裂、上顎骨低形成、上気道閉塞、後鼻孔狭窄/ 閉塞、外耳道狭窄/ 閉鎖、伝音性難聴
  3.  頸部 脊髄空洞症、環軸椎脱臼、頚椎癒合、喉頭気管奇形
  4. 四肢 骨性合指/ 趾症、肩関節形成不全、肘関節形成不全
  5. 心・血管 ファロー四徴症など先天性心疾患
  6.  精神運動発達遅滞を認めることがある。

(2) 検査所見

  1. 1画像検査所見
    単純頭部 X 線写真、 CT、MRI、脳血流シンチグラフィー、頭部 X 線規格写真、オルソパントモ写真など
    で頭蓋内圧亢進、頭蓋縫合早期癒合、顔面骨の低形成を認める。
  2. 眼科的所見
      視力、眼球突出度、両眼視機能、眼底検査などで頭蓋内圧亢進、斜視、眼球突出を認める。
  3. 耳鼻科的所見
    単純頭部 X 線写真、 CT、ポリソムノグラフィーなどで上気道閉塞を認める。聴力検査、CT、鼓膜所見な
    どで滲出性中耳炎、外耳道狭窄/ 閉鎖を認める。

(3) 遺伝学的検査

約5つの FGFR2 変異が報告されているが、Ig Ⅱドメインの変異 Ser252Try が 2/3、Ig Ⅲドメインの変異Pro253Arg が約 1/3 に認められ、他の変異はまれである。

重症度分類

以下のいずれかを満たす場合を対象とする。

  1. modified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上。
  2. 視覚障害: 良好な方の眼の矯正視力が 0.3 未満
  3. 聴覚障害: 高度難聴以上

引用:「症候性頭蓋縫合早期癒合症(クルーゾン / アペール / ファイファー / アントレー・ビクスラー症候群)に対する治療指針の作成および新規治療法の開発に関する研究」
 ( 研究代表者 神奈川県立こども医療センター形成外科 部長 小林眞司)

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