資料1:重症度基準の詳細

NYHA 分類

Ⅰ度 心疾患はあるが身体活動に制限はない。
日常的な身体活動では疲労、動悸、呼吸困難、失神あるいは狭心痛(胸痛)を生じない。
Ⅱ度 軽度から中等度の身体活動の制限がある。安静時または軽労作時には無症状。
日常労作のうち、比較的強い労作(例えば、階段上昇、坂道歩行など)で疲労、動悸、呼吸困難、失神あるいは狭心痛(胸痛)を生ずる 。
Ⅲ度

高度の身体活動の制限がある。安静時には無症状。
日常労作のうち、軽労作(例えば、平地歩行など)で疲労、動悸、呼吸困難、失神あるいは狭心痛(胸痛)を生ずる 。

Ⅳ度 心疾患のためいかなる身体活動も制限される。
心不全症状や狭心痛(胸痛)が安静時にも存在する。
わずかな身体活動でこれらが増悪する。

NYHA: New York Heart Association

NYHA 分類 身体活動能力
(Specific Activity Scale; SAS)
最大酸素摂取量
(peakVO2)
6 METs 以上 基準値の80%以上
3.5 ~ 5.9 METs 基準値の60 ~ 80%
2 ~ 3.4 METs 基準値の40 ~ 60%
1 ~ 1.9 METs 以下 施行不能あるいは
基準値の40%未満

NYHA 分類については、以下の指標を参考に判断することとする。

※ NYHA 分類に厳密に対応するSAS はないが、「室内歩行2METs、通常歩行3.5METs、ラジオ体操・ストレッチ体操4METs、速歩5-6METs、階段6-7METs」をおおよその目安として分類した。

modified Rankin Scale (mRS)

食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とする。

日本版modified Rankin Scale (mRS) 判定基準書
  modified Rankin Scale 参考にすべき点
0 まったく症候がない 自覚症状および他覚徴候がともにない状態である
1 症候はあっても明らかな障害はない:
日常の勤めや活動は行える
自覚症状および他覚徴候はあるが、発症以前から行っていた仕事や活動に制限はない状態である
2 軽度の障害:
発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える
発症以前から行っていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活は自立している状態である
3 中等度の障害:
何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
買い物や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とするが、通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要としない状態である
4 中等度から重度の障害:
歩行や身体的要求には介助が必要である
通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要とするが、持続的な介護は必要としない状態である
5 重度の障害:
寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする
常に誰かの介助を必要とする状態である
6 死亡

日本脳卒中学会版

食事・栄養 (N)

  1. 症候なし。
  2. 時にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。
  3. 食物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
  4. 食事・栄養摂取に何らかの介助を要する。
  5. 補助的な非経口的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
  6. 全面的に非経口的栄養摂取に依存している。

呼吸 (R)

  1. 症候なし。
  2. 肺活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。
  3. 呼吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
  4. 呼吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
  5. 喀痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
  6. 気管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。

CKD 重症度分類ヒートマップ

  蛋白尿区分 A1 A2 A3
尿蛋白定量
(g/ 日)
尿蛋白/Cr 比
(g/gCr)
0.15 未満
0.15 ~ 0.49
正常 軽度蛋白尿 高度蛋白尿
0.50 以上    
GFR 区分
(mL/ 分
/1.73㎡ )
G1 正常または高値 ≧ 90 オレンジ
G2 正常または軽度低下 60 ~ 89 オレンジ
G3a 軽度~中等度低下 45 ~ 59 オレンジ
G3b 中等度~高度低下 30 ~ 44 オレンジ
G4 高度低下 15 ~ 29
G5 末期腎不全(ESKD) < 15

※診断基準及び重症度分類の適応における留意事項

  1. 病名診断に用いる臨床症状、検査所見等に関して、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状等であって、確認可能なものに限る)。
  2. 治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、直近6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。
  3. なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要な者については、医療費助成の対象とする。

NYHA、mRS、CDK 重症度分類該当疾患一覧

疾患名 NYHA modified
Rankin
Scale
CDK
重症度
アペール症候群(尖頭合指症) 
アンジェルマン症候群
ウィーバー症候群
ウィリアムズ症候群
エーラス・ダンロス症候群
歌舞伎症候群
カムラティ・エンゲルマン症候群
基底細胞母斑症候群
(ゴーリン症候群)
クリッペル・トレノーネイ・ウェーバー症候群
クルーゾン病
コステロ症候群
コフィン・シリス症候群
コフィン・ローリー症候群
コルネリア・デランゲ症候群
シー・エフ・シー症候群(CFC 症候群)
色素失調症
シルバー・ラッセル症候群
スミス・レムリ・オピッツ症候群
ソトス症候群
第 14 番染色体父親性ダイソミー
およびその類縁疾患
チャージ症候群
ヌーナン症候群
ハーラマン・ストライフ症候群
ハッチンソン・ギルフォード
(プロジェリア症候群)
ビールズ症候群
ベックウィズ・ヴィーデマン症候群 
マルファン症候群
モワット・ウィルソン症候群 
ヤング・シンプソン症候群
ルビンシュタイン・テイビ症候群
ロイス・ディーツ症候群
1q 重複症候群
9q34 欠失症候群